2024年04月08日
特撮のDNAは調布にある!
(映画『ゴジラ-0.1』が米アカデミー賞で視覚効果賞を受賞したことについて、調布在住で映画に詳しい矢ヶ崎雅代さんに寄稿していただきました。映画愛あふれる記事をどうぞ。)

《特撮のDNAは調布にある!》
皆さん、先月の米アカデミー賞で視覚効果賞を受賞した『ゴジラ-0.1』を制作した白組。
そのスタジオは、調布にあるというのをご存知ですか?
「特撮のDNAは調布にある!」
ということを高らかに叫びたい私は、かなりの特撮マニアです(笑)
1980年代末のこと。
まだ昭和だったことは憶えています。
当時、私は映像の制作進行をしていて、ある現場に立ち合っていました。
スタジオの中は真っ暗な部屋。
そこで作業をしている人が数人。
タブレット状の物に何かを見ながら、鉛筆状のスティックでずっと点々を打っている。
これがその当時のCG制作だったのです。
まだパソコンは庶民には高嶺の花で、一般には普及しておらず、ひたすら点々作業をしていました。
「こういう点がいっぱいあり、ここだけで2900万個ある」
白組調布スタジオで、『ゴジラ-1.0』の波のシーンをディズプレイに映しながら、テレビ番組のインタビューに答えていた野島達司さん。
アカデミー賞の時に登壇していた4名の中で、最年少の25歳。
冒頭に書いた昔のことを思い出したのは、このインタビューを観たからです。
現代ではその点々の塊は、マウスで作れるし、動かす、貼り付ける等、なんでもすぐにできます。
昔の現場に居合わせている私に、タイムマシンに乗って教えに行きたい気持ちになりました(最近観ていたテレビドラマの影響かもしれません)
何がそんなにすごいのか。
ハリウッドの大作VFXチームは数百人体制で、制作費も約100億円単位。
そのほとんどがILM(『スター・ウォーズ』で有名なジョージ・ルーカスが創設)が制作しており、今回のアカデミー賞視覚効果賞ノミネート作品の他4作品はILMでした。
なんと白組チームは、主力メンバーが35人のスタッフで取った賞なのです。
製作費もハリウッド版の10分の1。
この予算で高いクオリティを実現したというわけです。
山崎貴監督は「ワンフロアで作業できる体制だったのも大きな要因のひとつ」とインタビューで答えていました。
今回のアカデミー賞授賞式の時に、VFXプロデューサーの渋谷紀世子さんが額に入れた写真を壇上に持っていらっしゃいました。
『ゴジラ-1.0』のエグゼクティブ・プロデューサーの阿部秀司さんの遺影でした。
阿部さんは、この快挙を見ることなく、昨年末に亡くなられました。
3月下旬に東宝砧スタジオで行われたお別れ会には、遺影を飾った花祭壇のすぐ横にオスカー像が飾られていました。
改めてご冥福をお祈り申し上げます。
調布から米アカデミー賞視覚効果賞への快挙❗️
この快挙は、特撮関係者だけでなく、映画界全体に大きな影響を与えることだと思います。
「映画のまち 調布」には、これからの新しい才能も続々と登場していくことでしょう。
私は「映画の語り部」として、今後も楽しみにしています。

《特撮のDNAは調布にある!》
皆さん、先月の米アカデミー賞で視覚効果賞を受賞した『ゴジラ-0.1』を制作した白組。
そのスタジオは、調布にあるというのをご存知ですか?
「特撮のDNAは調布にある!」
ということを高らかに叫びたい私は、かなりの特撮マニアです(笑)
1980年代末のこと。
まだ昭和だったことは憶えています。
当時、私は映像の制作進行をしていて、ある現場に立ち合っていました。
スタジオの中は真っ暗な部屋。
そこで作業をしている人が数人。
タブレット状の物に何かを見ながら、鉛筆状のスティックでずっと点々を打っている。
これがその当時のCG制作だったのです。
まだパソコンは庶民には高嶺の花で、一般には普及しておらず、ひたすら点々作業をしていました。
「こういう点がいっぱいあり、ここだけで2900万個ある」
白組調布スタジオで、『ゴジラ-1.0』の波のシーンをディズプレイに映しながら、テレビ番組のインタビューに答えていた野島達司さん。
アカデミー賞の時に登壇していた4名の中で、最年少の25歳。
冒頭に書いた昔のことを思い出したのは、このインタビューを観たからです。
現代ではその点々の塊は、マウスで作れるし、動かす、貼り付ける等、なんでもすぐにできます。
昔の現場に居合わせている私に、タイムマシンに乗って教えに行きたい気持ちになりました(最近観ていたテレビドラマの影響かもしれません)
何がそんなにすごいのか。
ハリウッドの大作VFXチームは数百人体制で、制作費も約100億円単位。
そのほとんどがILM(『スター・ウォーズ』で有名なジョージ・ルーカスが創設)が制作しており、今回のアカデミー賞視覚効果賞ノミネート作品の他4作品はILMでした。
なんと白組チームは、主力メンバーが35人のスタッフで取った賞なのです。
製作費もハリウッド版の10分の1。
この予算で高いクオリティを実現したというわけです。
山崎貴監督は「ワンフロアで作業できる体制だったのも大きな要因のひとつ」とインタビューで答えていました。
今回のアカデミー賞授賞式の時に、VFXプロデューサーの渋谷紀世子さんが額に入れた写真を壇上に持っていらっしゃいました。
『ゴジラ-1.0』のエグゼクティブ・プロデューサーの阿部秀司さんの遺影でした。
阿部さんは、この快挙を見ることなく、昨年末に亡くなられました。
3月下旬に東宝砧スタジオで行われたお別れ会には、遺影を飾った花祭壇のすぐ横にオスカー像が飾られていました。
改めてご冥福をお祈り申し上げます。
調布から米アカデミー賞視覚効果賞への快挙❗️
この快挙は、特撮関係者だけでなく、映画界全体に大きな影響を与えることだと思います。
「映画のまち 調布」には、これからの新しい才能も続々と登場していくことでしょう。
私は「映画の語り部」として、今後も楽しみにしています。
Posted by ちょうふネットテレビ at 16:06│Comments(0)
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