(「映画のまち調布賞 授賞式」の模様を、調布在住で映画に詳しい矢ヶ崎雅代さんにレポートしていただきました)
ただいま開催中の映画祭「映画のまち調布シネマフェスティバル2024」で、「第6回映画のまち調布賞」授賞式が、2月10日に文化会館たづくりのくすのきホールで行われました。
ロビーには『空の大怪獣ラドン』(1956)に登場した岩田屋ビルの再現ミニチュアがお出迎え。
ミニチュアといっても、かなりの大きさの迫力。
筆者は、一昨年の東京都現代美術館で開催された「井上泰幸展」(特殊美術監督)で、舞台になった福岡の街のミニチュアを見ることができました。
今回はその一部だけですが、ミニチュア制作は国領町にあるマーブリング・ファインアーツが担当しています。
その再現を実際に見て、ミニチュア世界の素晴らしさを味わって頂きたいです。
他にも『シン・仮面ライダー』『ラーゲリより愛を込めて』等、衣装や特殊マスクの展示があります。
さて、この映画祭。
映画・映像関連企業が約40社集まる調布市で、技術者や製作会社など映画の作り手にスポットを当てたものです(2月18日まで開催中)。
「第6回日本映画人気投票」の結果をもとにノミネートされた映画から、各賞を決定しました。
授賞式の司会は、お馴染みの俳優の金児憲史さん(元石原プロ)と奥様の楊原京子さん。
開会宣言は、シネマフェスティバル名誉会長 長友貴樹さん(調布市長)。
応援キャラクターのガチョラも登場し、にぎやかに始まりました。
トップバッターは、特別賞から。
昨年その歴史に幕を閉じ、全事業を終了した株式会社東京現像所の最後の代表取締役社長だった矢部勝さんが登壇。
「東京現像所はなくなりますが、その後の技術継承は東宝スタジオに引き継がれます。今後ともよろしくお願いします。」
と貴重なリマスター技術等の人たちは、もう新天地で業務を行なっているそうです。
賞は以下の通りです(敬称略)
作品賞:『すずめの戸締まり』
撮影賞:水口智之 『月の満ち欠け』
照明賞:佐藤浩太『銀河鉄道の父』
録音賞:湯脇房雄『劇場版 TOKYO MER走る緊急救命室』
美術賞:相馬直樹『耳をすませば』
編集賞:菅野詩織『劇場版 TOKYO MER走る緊急救命室』
特別賞:新藤次郎(プロデューサー)
株式会社東京現像所
『劇場版 TOKYO MER走る緊急救命室』が録音賞と編集賞のダブル受賞しました。
受賞インタビューは、下記のURLからご覧いただけます。
https://chofucinemafestival.com/award/116/
最後に、映画のまち調布 シネマファスティバル実行委員長の佐伯知紀さんから
「新藤次郎プロデューサーがスピーチで『映画は観るよりも作る方が楽しい』とおっしゃっていました。
ぜひワークショップも開催しているので、映画づくりを体験してほしい。」
とご挨拶がありました。
実際に映画づくりを体験した中高生たちの「高校生フィルムコンテスト、調布ジュニア映画塾上映会」も下記の通り開催。
彼らの成果をぜひご覧ください。
2月18日(日)10:00〜
たづくり8階映像シアター(入場無料)
帰り道、若い受賞者が、駆けつけてくれた職場の仲間に囲まれて、映画祭の幕の前で、満面の笑みをたたえた写真を撮ってもらっていたのを見かけました。
次世代の作り手たちへのエールになることこそ、この賞の意義があると思います。
展示は2月18日(日)まで。
《エントランスホール》
◯CINE_WORKS展-映画制作の世界-岩田屋ビルの再現ミニチュア、『シン・仮面ライダー』等の小道具
◯映画のまち調布賞受賞者紹介展示
《南ギャラリー》
出張!映画資料室 東京現像所という仕事
《北ギャラリー》
御意見無用!東映東京撮影所物語 等